TOPICS

TOPICS

2022.2.28

【保健師ブログ 2月号】睡眠時無呼吸症候群

朝起きたとき、眠れたな~と感じていますか?

日本で慢性的に不眠の症状を抱えている人は約20%いると言われています。
不眠症とまでは診断されなくても、下記のような症状がある・あった方も多いのではないでしょうか?

◆寝つきが悪い
◆夜中に何度も目が覚める
◆寝た気がしない
◆寝起きが悪い

そして、これらが起きている間の活動の質を低下させるものであると、実感している方も多いと思います。

睡眠は必要不可欠!

アメリカの心理学者:マズローの「欲求5段階説」をご存知でしょうか?
人間の欲求を5段階の階層で表した理論です。
人間は上の図でいうと、下にある欲求が満たされると、その上の欲求を満たすと解かれています。

「睡眠」は一番下の「生理的欲求」に含まれます。つまり、そこが満たされない限り、次の「安全の欲求」を求めることはないということです。一番上にある「自己実現」には程遠い状態です。

「生理的欲求」は、食事・性的欲求・排泄なども含まれます。睡眠がこれらと異なるのは、意識ができないということです。意として眠りを深くしたり、夜中に目覚めないようにすることができません。

人はどうして眠るの?

睡眠は人生の約3分の1を占めると言われています。そう考えると寝ている時間とは人生の多くを占めています。

睡眠は、もちろん体の疲れをとるために必要ですが、最も大事な点は脳を休めるためという事でしょう。また睡眠中は様々なホルモン(成長ホルモンやセロトニンなど)が分泌され、新陳代謝により日中疲れた身体と心を効率よく修復します。また、睡眠には免疫力を高める役割もあります。睡眠不足が続くと、睡眠中も交感神経が過度に緊張し風邪をひきやすくなるといわれています。

身体の疲れは、横になって休むだけでもある程度回復できますが脳は起きている間はずっと働きづ続けるため、脳は眠る事でしか休息できません。

私たちは、心と身体の健康を保つために眠る必要があるのです。

睡眠の種類


睡眠の種類は2種類!これを繰り返します。

◆nonREM睡眠(頭は寝ているが体が起きている睡眠)
特に深い眠りは、寝入り初めのnonREM睡眠の時期に発生し多くの成長ホルモンが分泌され心と身体を修復します。

◆REM睡眠 (頭は起きているが体が寝ている睡眠)
脳の中では多くの情報の整理が行われ記憶や学習した事を定着させていると考えられています。夢はREM睡眠のときにみるといわれています。

睡眠の効果・役割


1.脳と体の疲れを取る
2.ストレスの解消
3.体の成長や老化防止
4.病気の予防
5.記憶の定着・学習効果の効率化

睡眠時無呼吸症候群(SAS;Sleep Apnea Syndrome)

多くの病気がありますが私たちの周りで身近なものに睡眠中のいびきや呼吸が止まってしまうという睡眠時無呼吸症候群という病気があります。

みなさんもテレビなどで、耳にしたことがあるのではないでしょうか。

普段の生活で家族が・・・・
旅行に行ったときに友人が・・・・
あれ、もしかして自分かもしれない・・・・
心のどこかで気になっているけど、放置していませんか。
成人男性の約3~7%、女性の約2~5%にみられます。男性では40歳~50歳代が半数以上を占める一方で、女性では閉経後に増加します。

なぜ睡眠時無呼吸が身体に悪いのか?


①熟睡感がない⇒ 仕事能率の低下 ・・生活の質低下
②合併症
心筋梗塞を起こした人の30%、脳卒中を起こした人の50%、高血圧がある人の30~50%、糖尿病がある人の30%に睡眠時無呼吸症候群があると言われています。
健常人に比して、脳血管障害・脳梗塞は10倍高血圧3倍虚血性心疾患6倍の危険因子と考えられています。
③運転の事故リスク 7倍!!

*生活の質だけでなく、生活習慣病の1つと考えられています。

睡眠時無呼吸症候群の症状


◆日中の眠気
◆いびきの指摘
◆疲労感や集中力の低下
◆運転中の居眠り
など

睡眠時無呼吸症候群の原因

空気の通り道である上気道が狭くなることが原因です。

◆肥満:首まわりの脂肪の沈着が多いと上気道は狭くなりやすく、肥満と深く関係しています。

◆鼻の病気:扁桃肥大、舌が大きいことや、鼻炎・鼻中隔弯曲。

◆骨格:あごが後退していたり、あごが小さい。

睡眠時無呼吸症候群の診断

問診などでSASが疑われる場合は、携帯型装置による簡易検査や睡眠ポリグラフ検査(PSG)にて睡眠中の呼吸状態の評価を行います。PSGにて、1時間あたりの無呼吸と低呼吸を合わせた回数である無呼吸低呼吸指数(AHI)が5以上であり、かつ上記の症状を伴う際にSASと診断します。
その重症度はAHI5~15を軽症、15~30を中等症、30以上を重症としています。

↑睡眠ポリグラフ検査(PSG)


↑簡易検査

睡眠時無呼吸症候群の治療

◆経鼻的持続陽圧呼吸療法(Continuous posi-tive airway pressure:CPAP)
“シーパップ”という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
最近は芸能人の方がこの治療法を行っていることを公表されたり、テレビで実際に使用している映像が流れていることがありますね。

CPAPはマスクを介して持続的に空気を送ることで、狭くなっている気道を広げる治療法です。
もっとも安全性が高く有効なのはCPAP療法です。CPAP療法とは、睡眠時だけ鼻マスクを装着し空気を一定圧送り込み気道が閉塞するのを防ぎます。

◆口腔内装置(マウスピース)
下あごを前方に移動させるマウスピースを使用することもあります。

◆手術
小児のSASではアデノイド・口蓋扁桃肥大が原因であることが多く、その際はアデノイド・口蓋扁桃摘出術が有効です。

睡眠時無呼吸症候群の予後

成人SASでは高血圧、脳卒中、心筋梗塞などを引き起こす危険性が約3~4倍高くなり、特に、AHI30以上の重症例では心血管系疾患発症の危険性が約5倍にもなります。しかし、CPAP治療にて、健常人と同等まで死亡率を低下させることが明らかになっています。

終わりに


いびきがうるさいなぁ・・・くらいにしか思わないですが、呼吸が止まることで身体には大きな負荷がかかっているのですね。
将来起こりうるリスクはなるべく下げ、交通事故などの予期せぬ不幸を招かぬよう、おかしいな?とおもったら検査をしてみましょう!

引用・参考文献:日本呼吸器学会HP

アルファインターナショナル
保健師/中西

健診システムの導入を
ご検討されている方は
お気軽にご相談ください