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【保健師ブログ 6月号】食中毒とは〜細菌食中毒の種類から予防のポイントまで解説!
少しずつ温かく、そして湿気が多い季節になってきました。
この時期から夏にかけて食中毒が増えてきます。
辛い思いをしないために、今回は食中毒についてお話したいと思います♪
食中毒とは
食中毒とは、細菌やウイルスが付着した飲食物や有害な物質が含まれた飲食物を摂取することによって、腹痛・下痢・嘔吐・発熱などの健康障害が起こることです。
原因は細菌性が多い!
カンピロバクターや腸管出血性大腸菌などの細菌が原因となる食中毒を“細菌性食中毒”といい、気温と湿度が高くなる夏場に多く発生します。その発生件数は食中毒全体の約70~90%を占めるほどです。
冬に多いのはノロウイルスなどの「ウイルス性」で食品の中では増殖しません。
■カンピロバクター
■サルモネラ菌
■ブドウ球菌
■腸管出血性大腸菌
■ウエルシュ菌
■セレウス菌
■その他
細菌食中毒の種類
食中毒というと、飲食店での食事が原因と思われがちですが、毎日食べている家庭の食事でも発生しています。普段、当たり前にしていることが、思わぬ食中毒を引き起こすことがあるのです。
細菌名 | 主な感染源 | 特徴と症状・発症までの期間 |
カンピロバクター
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生食または加熱不十分な肉類などが多い。ペットから感染する場合もある。 | ・潜伏期間:2~7日
・腹痛、下痢、嘔吐、発熱や頭痛、筋肉痛、倦怠感 ・潜伏期間が長いので、原因が断定しづらい |
サルモネラ菌
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鶏肉や牛肉のたたき、牛のレバ刺し、卵およびそれらの加工品で加熱をあまりしていない食品などが多い。 | ・潜伏期間:6~72時間
・発熱、下痢、嘔吐 |
ブドウ球菌
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調理する人の手指(皮膚などにいる常在菌)
調理器具 |
・潜伏期間30分~6時間
・下痢、嘔吐、胃の痛み ・人の手を介して感染するため、おにぎり、寿司などの米飯類やサンドイッチなどが多い。 |
腸管出血性大腸菌
(O-157など) |
牛肉、ハンバーガー、ローストビーフ、生乳、サンドイッチ、サラダ、飲料水などが多い。 | ・潜伏期間:4~9日
・激しい腹痛、大量の血便 ・重症化しやすく、菌の量が少なくても感染しやすい ・二次感染の危険が高い ・2012年7月には、厚生労働省によりレバーなどの生食用牛肉の提供・販売が禁止となった |
ウェルシュ菌
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カレーやシチュー | ・潜伏期間:6~18時間
・酸素を嫌うため、加熱調理された後、長時間室温で放置された料理に多い。 |
食中毒予防の3つのポイント☆
1、『つけない』・・・洗う、分ける
食中毒の原因菌やウイルスを食べ物につけないよう、こまめに手を洗いましょう。
包丁やまな板など、肉や魚などを扱った調理器具は使用するごとに洗剤で洗い、できるだけ殺菌するようにします。
また、肉や魚の汁が他の食品に付着しないよう、わけて保存や調理をしましょう!
2、『増やさない』・・・低温で保存!
細菌の多くは10℃以下で増殖のペースがゆっくりとなり、マイナス15℃以下で増殖が停止します。
肉や魚、野菜などの生鮮食品は購入後、すみやかに冷蔵庫に入れなるべく早く調理して食べましょう!
3、『やっつける』・・・加熱・殺菌処理!
ほとんどの細菌やウイルスは加熱によって死滅するので、しっかり加熱して食べましょう。
また、肉や魚、卵などを扱った調理器具は洗って熱湯をかけるか台所用殺菌剤を使って殺菌しましょう!
特に注意したいこと
生活スタイルが変わりオンライン化が進み、人が動くよりも物が動く機会が多くなります。
予防の大前提としては「手を洗う」ことが基本ですが、特にコロナ禍において多く想定される場面について、以下の点にご注意ください。
●持ち帰り・デリバリー(宅配)について
・調理してから4時間以内に食べるのが基本。冷温保存し、買ったらすぐ食べる!
・持ち帰り用には、保冷バッグ、保冷剤を持参する。
●弁当を手作りする場合
・調理する人の鼻の粘膜や手指感染する可能性があるため、調理前の手洗いは必須。
・おにぎりなどは素手で握らない。
・調理用具や容器は消毒する。
・おかずやご飯は冷めてから詰める。おかずとご飯も分けて詰める。
・冷蔵庫や涼しい場所で保管し、なるべく早く食べる
・梅干や酢など抗菌効果のある食材を活用する。
・水分が多いと細菌が増殖しやすいため、水気をよく切る。
・長時間持ち歩く時は保冷剤を活用する。
・車の中や日の当たる場所ではクーラーボックスに入れる。
●バーベキューや会食する場合
・箸や食器類を共用しない。
・トングやまな板などは、肉や野菜など食材別に複数用意する。
・食材はクーラーボックスなどに入れ、保存温度に気を配る。
・食材の加熱ムラには十分に注意する。
みなさん、食中毒には気をつけて安全に食事を楽しみましょう!
アルファインターナショナル
保健師/中西