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保健師ブログ 
2022.8.01

【保健師ブログ 8月号】健診の良い点と気を付けたい点

健診の良い点と気を付けたい点


健診システムの導入をするため我々は長い期間、病院や健診センターの方と話し合いを重ねます。

“この作業が使い辛い”“こんな風になってほしい”
“インシデントやミスをなくしたい”
いろんなご要望を寄せられ、それを1つ1つ解決するべくオリジナルのシステムを作り上げます。

最初は要望が多く挙げられますが、話が進んでくると
“この取り組みは残したい”など
ポジティブな内容も頻回にきかれます。話し合いは熱心で、健診愛を感じます。
わたしも健診センターでの看護業務、アルファでの健診システム業務を経て、さらに健診愛が高まりました。

今回は健診の良い点と気を付けたい点をお伝えできたらと思います。

◆「早期のがんを発見できます」


早期であれば治せる可能性は非常に高く、治療も軽くすむことが多いので、患者さんにかかる身体的負担、経済的負担や時間は一般的に少なくてすみます。
重い自覚症状をきっかけに進行がんで見つかった場合の治療は身体にかかる負担が大きかったり、時間がかかります。
治すことが難しいこともあります。早期の段階で見つけられるように、がん検診は正しく時期から定期的に受けることをおすすめします。

◆「がん以外の病気も見つけることができ、治療に結びつけられます」


がん検診はがんを見つけ、そのがんによる死亡率を減らすことが目的ですが、がん検診では早期がんが見つかるばかりではなく、がんになる前段階の病変が見つかることもあります。
がんになる前段階の病変とは、具体的にはポリープや潰瘍、異型上皮などです。こうした病変が軽い場合は経過を観察して、必要に応じて治療することで、がんになることを防ぐことができます。

◆「安心して生活を続けられます」


がん検診を受けて「異常なし」と判定されれば、ひとまず安心してすごすことができます。
ですが、日本人の生涯に2人に1人ががんになり、 年間で亡くなる人の3割ががんで亡くなる時代、「過信」は禁物です。
1回受けたから大丈夫!ではなく、
1年に1回の定期的な受診をしましょう!

◆「判定・診断の結果が100%正しいというわけでありません」


がん検診技術は、目ざましく進歩しています。しかし、「異常なし」という判定は、「あなたの身体にはがんはありません」ということではありません。
少しでも検診の精度を高めようと努力・工夫をしていますが、がんの場所や種類によっては見つけずらいことがあります。また、見落とすこともあるのが現状です。

“定期健診”と言葉があるように定期的な(1年に1回)受診を心がけましょう!

◆「結果的に不必要な治療や検査を受けてしまうことがあります」


検診でみつかるがんには、その後進行がんにならなかったり、そのままの状況にとどまったりして、生命に影響しないがんもあります。今のところ、このようながんと普通のがんを区別することができません。そのため早期治療のため、このようながんにも手術などの治療が行われますが、この治療が本来不要だった可能性もあります。こうしたがんを発見することを「過剰診断」といいます。
また、がん検診で「がんの疑い」と診断されると、精密検査が必要となりますが、精密検査を受けた結果、「がんではなかった」と判定されることが多くあります。これを「偽陽性」といいます。結果的にみれば不必要な検査が行われたことになり、受診者には心理的な負担もかかることになります。ただ、精密検査を受けて初めてわかるもので、精密検査をしないわけにはいかず、ある程度は避けようもないのが現状です。

◆「検査によって身体に負担がかかってしまうことがあります」


X線検査で使うバリウムは便秘になる可能性があったり、内視鏡検査では出血や穿孔(せんこう)といって胃や腸に穴を開けてしまうこともあります。放射線には被曝(ひばく)の問題があります。
検査を行うにあたって同意書を書くと思いますので、説明書きもしっかり読みましょう!
また妊娠中の方は受けられない検査がありますので、病院に確認しましょう。

◆「受診する病院は1カ所にしましょう」


“腫瘍が見つかり精密検査をした結果、陰性だった”という結果を保持しているのはその病院です。毎回違う病院に健診にいってしまうと、その病院では初めて見つけた腫瘍のため精密検査をするよう結果表に載ってきてしまいます。また継続的に同じ病院にかかることで良性の腫瘍の大きさを毎年比較してみてもらえます。そして他の検査値も比較してご自身で見ることが出来ますので一元管理できてよいですね♪

アルファインターナショナル
保健師/中西

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