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【保健師ブログ 3月号】コレステロールについて知ろう
今回は健診でもよく耳にするコレステロールについてお話したいと思います(^▽^)/
健診結果の有所見率が多い!?
定期健康診断実施結果有所見率の割合として、血中脂質の有所見割合が高い。
血圧 | 貧血 | 肝機能 | 血中脂質 | 血糖 |
16.1 | 7.7 | 15.5 | 31.8 | 11.7 |
(*厚生労働省データをもとに作成)
コレステロールや中性脂肪の働き
▶コレステロールの役割
・全身の細胞膜の成分。
・ホルモンやビタミンDの原料。
・胆汁酸の原料となり、食事の脂質やビタミンの吸収を手助けする。
▶中性脂肪の役割
・肝臓や脂肪細胞に蓄えられ、エネルギーが不足した際にエネルギーとして利用される。
・脂肪細胞は体温を一定に保ったり、体を衝撃から守る働きもする。
LDLとHDLって似てるけど、どう違うの?
▶LDLコレステロール (LDL-C)
いわゆる「悪玉」コレステロールと呼ばれます。
肝臓で作られたコレステロールを身体全体へ運ぶ役割をもっています。
増加すると、血管内膜に侵入したLDLが酸化変性してマクロファージに貪食され、
コレステロールが過剰に蓄積します。
▶HDLコレステロール (HDL-C)
いわゆる「善玉」コレステロールと呼ばれます。
コレステロールを肝臓に戻します。
HDLが少ないと、余分なコレステロールを細胞から抜き取れません。
▶中性脂肪は増えるとどうなる?
中性脂肪が多いと、動脈硬化を進めてしまうことが問題です。
肝臓で合成された中性脂肪はVLDLと呼ばれ、リポたんぱく質の形で血液中に送り出されます。
血液中にVLDLが多くなりすぎると、HDLが減少し、小型LDLが増加します。
小型LDLは血管壁に入り込みやすく、動脈硬化を進めてしまいます。
▶症状がないから放置しても良いでしょ!
脂質異常症を放置すると血管の内側に脂質がたまり、動脈硬化を引き起こします。
しかし、動脈硬化になっても、自覚症状がありません。
心筋梗塞や脳梗塞の発作を起こして、やっと脂質異常症の重大さに気づくことになります。
定期的な検査を行い、数値の変動を確認することが大切です★
あなたの脂質は大丈夫?セルフチェックタイム!!
▼検査値チェック
LDLコレステロール(悪玉コレステロール) |
140㎎/dL以上 |
HDLコレステロール(善玉コレステロール) |
40㎎/dL |
トリグリセリド(中性脂肪) |
150mg/dL |
▼生活習慣チェック
当てはまる項目はありませんか? |
□ ばら肉、ひき肉など(とんかつ・ハンバーグ・牛丼)や加工肉(ベーコン・ウインナー)をよく食べる |
□ 魚屋大豆食品を食べることが少ない |
□ 菓子パンや調理パンをよく食べる |
□ スナック菓子をよく食べる |
□ 野菜・きのこ類・海藻を食べることが少ない |
当てはまる項目が多い場合は、要注意!!
脱!脂質異常症!! ~生活習慣で改善しよう~
1.コレステロールが過剰に作られないようにする
▶食事を気を付けよう
2.LDLコレステロール値を下げよう
▶不飽和脂肪酸をとろう
3.HDLコレステロールを増やそう
▶運動をしよう
食事の選び方
LDLコレステロール値を“上げる食品”と“下げる食品”を知り、正しく選ぼう!
コレステロール値を上げる |
コレステロール値をあまり上げない |
コレステロール値をあまり上げない |
✓脂身の多い豚肉や牛肉 (バラ肉やひき肉など) ✓バター・マーガリン ✓スナック菓子 ✓乳製品(チーズ・アイスクリーム・生クリーム) ✓チョコレート・洋菓子 |
✓マヨネーズ ✓卵 ✓魚介類(いか・たこ・えび) ✓鶏肉(皮なし) ✓魚卵 |
✓DHAを多く含む魚(あじ・いわし・さば・ぶりなど) ✓大豆食品 ✓野菜 ✓海藻 ✓きのこ類 |
*脂質の中でも不飽和脂肪酸が多く含まれる食品はコレステロール値をあげる原因
食事の選び方を工夫してみよう!
どのような食事をすれば血液中のLDL(悪玉)コレステロール値を下げることができますか?
★積極的に摂取したい食品
・食物繊維の多い食品(玄米、七分づき米、麦飯、雑穀、納豆、野菜、階層、きのこ、こんにゃく)
・青背の魚(n-3系多価不飽和脂肪酸が多い)
* n-3系多価不飽和脂肪酸を多く含む魚類…サバやイワシなどの青魚
・大豆(n-6系多価不飽和脂肪酸が多い)
・基本的には日本食を意識しましょう!
魚、大豆、野菜、未精製穀類、海藻を十分に、乳、果物、卵を適量に
*食物繊維と植物ステロールを含む未精製穀類…
白米よりも玄米、七分づき米(胚芽精米)、雑穀類、また白パンよりも全粒穀パンなど。
・肉の脂身やバター、砂糖・果糖を控える。また減塩も!
注)n-6系脂肪酸はLDLとともにHDLも減らしてしまいます。
n-3系と併せてバランスよく摂取しましょう。
★控えたい食品
・飽和脂肪酸(脂身のついた肉、ひき肉、鶏肉の皮、バター、ラード、やし油、生クリーム、洋菓子)
・工業的に作られたトランス脂肪酸の多い食品(マーガリン、洋菓子、スナック菓子)
運動のポイント
HDLコレステロールを直接的に増やす⾷品はありません…
しかし運動で中性脂肪の低下とともに増やすことが期待できます︕
①種類 |
有酸素運動を中心に♪ ウォーキング、速歩、水泳、歩くような速さのジョギング、 自転車、ベンチステップ運動など |
②強度 |
中等度以上の運動を目安に♪ 心拍数 → 50歳未満:100~120回/分 50歳以上:100回/分いない 少し息が上がるが会話ができる程度 |
③頻度・時間 | 1日30分以上(できれば毎日)または週の合計が120分間の運動 |
運動を行うことにより、中性脂肪を減らし、HDLコレステロールを増やす働きがあります。
通勤を利用してウォーキングを行うなど、積極的に運動を取り入れましょう。
アルファインターナショナル
保健師/中西